竜口城(たつのくちじょう)

所 在 地  田辺市中三栖
標   高  104m
比   高  70m
築 城 者  楠本六郎忠實
築 城 年  不明
  式  山城
遺   構  曲輪 柱穴 段構え   
登城時間  15分
 

歴 史

 築城者は山本氏の女婿であった楠本六郎忠實と云われている。
 城は熊野街道を見下ろす要衝にあったため多くの戦いが繰り広げられた。
 楠本氏は長禄2年(1458年)日置久木城主小山氏が一旦攻め落とされたがその後楠奪い返し、また永禄5年(1562年)四国から攻め寄せた三好長慶の軍勢に対して敵兵73人を射抜きし勝利したという。
 天正13年(1585年)羽柴秀吉による南征時に、山本氏や亀山城(御坊市)を追われた湯河直春ら国人衆3百人がこの城に立て籠もり激戦を繰り広げたが、城の東側より火を放たれ竜口城は落城、山本氏らは奥熊野方面に敗走した。

現 状

 城跡は田辺市下三栖から救馬観音へと通じる県道沿いにあり、田辺市土地開発公社が分譲している城山台の隣にある。
 この城は岩盤に覆われ、中世城郭に見られる土塁、堀切といった遺構が無く、高低差のある地形をほぼそのままに利用た天然の要害である。
 遺構としては軍旗を立てたと云われる柱穴が7カ所と、西側斜面に段構えが10段確認できた。
 また城跡に至る途中の草むらには小さな五輪の塔が4基物寂しく祀られているが、この城に関係する人物のものであろうか。
   

写 真

                                 
主曲輪 主曲輪南側武者溜り
主曲輪に至る経路にある石段 北側曲輪


経 路

                                                   

    

                                     

地 図





紀南地方の城跡