本之脇城(もとのわきじょう)

所 在 地  日高郡美浜町和田
標   高  171m
比   高  164m
築 城 者  美濃左兵衛
築 城 年  不明
  式  山城
遺   構  曲輪 土塁 石垣 堀切      
登城時間  20分

 

歴 史

  築城者について「日高鑑」には美濃左兵衛の居城と記されているが、詳細は不明である。
  城跡の東方麓にある池の向かいに「古屋敷」と呼ばれる平坦地があり、「海賊の屋敷跡」との地元の伝承がある。
  海賊とは海から上陸した者を示すとすれば、大永2年(1522年)畠山高国が本国河内に帰国した隙をみて、阿波より由良に上陸した三好義長の一族が一拠点としてこの城を築き、麓に屋敷を構えたとすれば地元の伝承と繋がるのではないか。
  また三好氏が阿波に退去後には、周辺を治めていた湯河氏が利用していたと思われる。
 

現 状

 本之脇城は日高平野の南東端に位置し、通称「城山」に築かれた山城である。
 城跡までは舗装された遊歩道が整備され、20分ほど歩くと木製ベンチありそこが入口である。
 城跡は主曲輪が東西18m、南北25mの規模で、東側切岸には石垣と南東端に土塁が残る。
 主曲輪より階段状に二ノ曲輪、三ノ曲輪が連なり、西側には腰曲輪が取り付いている。
 また三ノ曲輪北側は現在西山遊歩道に改変されているが堀切跡と思われる。
 この城の最大の見所は、二ノ曲輪西側に約15mの長さで積まれた石垣が形を良く残している。
 また城跡より東側麓にある池の向かいが屋敷跡と云われ、当時は池の脇道を通り城跡まで城道があったようであるが、現在は確認できない。
 なお本之脇城からは煙樹ヶ浜を見通し眼下に太平洋が広がる眺望は、遠くは四国を望める時もあり、海上監視に適した城であることが分かる。
 
 

写 真

                                 
案内看板 西山遊歩道入口
西山遊歩道 屋敷跡入口
屋敷跡  屋敷跡から本の脇集落方面 
遊歩道となった堀切跡主曲輪切岸 登城口
西側石垣 西側石垣
主曲輪 主曲輪切岸
主曲輪東側石垣 主曲輪土塁
二ノ曲輪 三ノ曲輪
西側腰曲輪 煙樹ヶ浜方面遠景

経 路


              

                                

地 図






紀中地方の城跡